なんかおかしいんだよな。
このエンジンって小さな船外機だから、バッテリーも何も付いていない、船外機の上のところにあるヒモを引っ張るだけでエンジンが掛かってしまう船外機なのよ。
横浜ベイサイドマリーナの整備士さんだってそう言っていたのよ。
なのに…
なぜ2本の鎖で船に繋がれているの?
確かに、大きな大型犬は犬小屋に鎖2本で繋がれている子もいるけど…
普通は外飼いの犬って鎖1本で繋がれているよね。
この船外機が太い真っ黒のゴムホースで船側にある赤い燃料タンクに繋がれているのは、さすがに私にも理由がわかる。
タンクに入っているガソリンで走るためでしょう。
太い真っ黒のゴムホースとは別に、もう1本グレイ色の電源コードみたいなホースでも船に繋がれているのよね、
この電源コードみたいなのは何なの?
このエンジンってそんなに暴れ犬、暴れ馬なのか?
ただの飾り?
そうか!
このグレイ色の電源コードみたいのは船の後ろ、船尾のところに開いている穴から船内へと入っているのよ。ってことは船内の後ろの方にコードの続きがあるはずだわ。
クオーターバースの後ろよね。
このヨットのクオーターバースって狭いのよね。
いつもお姉ちゃんにチビと言われる体の小さい私でも、下半身を足から突っ込んで寝るぐらいしか身動きできないベッドなのよね。
しかも、奥の方は真っ暗。
あ、あった!
あのグレイ色が電源コードの続き。
この電源コードって、船尾の中央付近へと下って行っている。
え、何これ?
車のバッテリーだ!
こんなところにバッテリーが付いているよ!
横浜ベイサイドマリーナの整備士さん、エンジンが小さい船外機だから上のところに付いているヒモを引っ張ればエンジンは掛かるからバッテリーは無いって言っていたじゃないのよ。
でも、私って力が無いせいか、いつも何回も何回も引っ張ってエンジンを掛けるのに一苦労なんだけど、そんな私みたいな人のためにもバッテリーもちゃんと付いていたんだ!
もー横浜ベイサイドマリーナの人、なんで教えてくれないのよ!
こんな便利なものが付いているんじゃないの!
せっかく付いている文明の利器なのに。
でも、このバッテリーでどうやってエンジンを掛けたら良いのだろう?
