それで祥恵は無事に大学に合格できましたと。
そうね、一浪はしたけどね。
そうなの?一浪したんだ。
まあ、今の時代は一浪ぐらいは普通だよね。
ゆみは現役だけどね。
そうなんだ、やっぱゆみちゃんは賢いな。
そうね。
そういえば何でゆみちゃんまで医大を受けたの?
それ聞く?
祥恵が落ちた時の家業を継ぐ人の保険みたいな…
ぜんぜん!それは聞かない方がいいよ。
そうなの?
うん、ものすごくくだらないから。
そうなの?聞きたい。
聞きたいんだ。
うん。だってゆみちゃんの考え方って独特でおもしろいじゃん。
そういうレベルでも無いよ。
ゆみの高等部の担任の野口先生に進路相談を受けた時に、ゆみはお姉ちゃんと同じ大学に通いたいって返事したの。
あ、そうなんだ。
それで野口先生が大学はそういう理由で決めるところでは無いって、将来何になるかをまず決めて、そのためには大学へ行くか専門学校へ行くかみたいな感じで決めるところだって。
それはそうだね。
ちなみに中等部の時、中等部の図書室に野口先生って女の先生がいたの覚えてる?
うん、覚えてるよ。
あの野口先生の旦那さんがゆみの高等部の担任の先生。
そうだったんだ。
それで、野口先生にそう言われた時にうちのお母さんは先生にゆみの好きにさせてあげたいって返事したのよ。
へえ。
だって、ゆみはあなたたちと同級生とはいえ、実際の年齢は5歳も年下のわけじゃない。
そうですね。
だったら5歳分まだ余裕があるわけだし、お姉ちゃんと同じ大学へ通うという夢を叶えてから、改めて自分の夢を考え直しても良いんじゃないかなって思ったのよ。
なるほどね、そう言ってもらえるお母さんって羨ましいかも。
そうでしょう。
あれ、でもゆみちゃんって国立の医学部だよね、祥恵は慶応医学部。
そう、結果的に別々の大学に通うことになったの。
そうなんだ。
私は一浪で、」ゆみは国立大の医学部に合格したでしょう。
あ、そういうことね。
お姉ちゃんと同じ代ゼミに通いたかった。
え?
まだ、そんなこと言っている。
ゆみちゃんって現役合格しているのに代ゼミに通うつもりだったんだ。
うん。
アホでしょう。
アホだね、笑える。
で、私が代ゼミに通うなんてバカなこと言わせないで、受かった国立大に通わせたの。
それで私も翌年には慶應大学医学部に合格できたと。
なるほど。
え、それじゃ大学ってゆみちゃんの方が年上?
年上ではないけどね、学年を遂に追い抜かれた。
そうだったんだ、やっぱゆみちゃんって頭良いじゃん。
そうかな。
それで、医大から美大に移った話は?
それはまた全然別の理由なんだけどね。
