ね、今度はまなみの経歴を教えてよ。
私の?
うん、私よりもまなみの方がゆみが働いていた横浜の貿易会社のことは知っているでしょう。
確かにね。
私は高校中退した後、近所の自動車整備工場のおじさんが私のこと引き取ってくれたんだけど。
え、中退なの?
あ、うん。ちょっと私の高校j代ってイキがっていてさ。
イキがっていたんだ。
うん、高校の授業なんてほとんど出ていなくて…
そうだったんだ、見えないよね。
ああ、今みたいなこんなミニスカートなんかはいてなくて、当時はつなぎみたいのであっちこっちバイクを乗り回していたのよ。
へえ、見たかったな。
やだよ、祥恵には絶対に見せたくないよ。
そう言われると余計に見たくなる。
その話はいいから、整備工場のおじさんに整備工の仕事を一から教わったんだ。
へえ。
接客までやってさ、お客さんから車の状況を聞き出しておかげで車の故障ならどんなことでも修理できるようになれたよ。
そこで教わった技術なのね。
プリンセストレーディングで輸出する車も全てまなみが確認してから輸出してるから向こうに届いてからも中古とは思えない調子の良さじゃない。
そうね。
プリンセストレーディングでもすごく助かっているよ。
車の修理とか整備のことなら何でも任せてって感じなんだけどさ。当時の中古車屋ってちょうど海外の車ブローカーが日本にやって来て日本の中古車を全て根こそぎ持って行ってしまうような勢いがあってさ。
そうなんだ。
うちの整備工場もお客を海外ブローカーに全部持っていかれてしまう感じで…
社長さん、その整備工場のおじさんって経営が大変だったんじゃないの。
そう!そうなのよ。
うちも生き残ろためには国内の顧客だけじゃなく海外の顧客にも目を向けていかないとだめかなって話していたんだけどさ。
そうだろうね。
うちの整備工場って私以外の整備工って皆、高齢っていうの年配の方が多くて。
うん。
今さら英語を勉強して海外進出っていうのも… ってことで社長が会社の閉鎖を決断したのね。
え。それじゃまなみも無職になったの?
ううん。会社は閉鎖したんだけど、まだ若い私のことは社長も気にしてくれて、会社で入ってた中古車オークション会場の会員権とかを私に譲ってくれて個人で中古車屋さんを続けていける環境を全て揃えてくれたのよ。
それはマジで良い社長さんだったね。
うん。それで私は個人でこの仕事を続けていくのならば国内の顧客よりも海外の顧客だろうなって考えていて、海外相手に何台かは自分で輸出したんだけど…
へえ、すごいじゃん!
でも、中古車輸出の基礎的なこともよくわかっていないじゃない。
そうだね。
そしたら、中古車オークション会場の会報誌に横浜の貿易会社のことが載っていてスタッフを募集していたのよ。それで応募したんだけど。
そこにゆみが働いていたんだ。
そういうこと。
ゆみってちゃんと働いていた?仕事できていた?
うん、仕事頑張っていたよ。
それなら良いんだけど。
海外からの中古車オファーってゆみちゃんのホームページから来るのね。その日来たオファーを毎日営業スタッフに振り分けて配るのがゆみちゃんの仕事なのよ。
そうだったんだ。
その振り分けられたオファーにそれぞれがコンタクトを取って商談を進める感じなの。
基本、プリンセストレーディングでやっている仕事と同じだね。
そうね。っていうか横浜の貿易会社での業務を参考にしてプリンセストレーディングの業務が出来上がったって感じでしょう。
それはそうなんだけどね。
